「何をするべきか」「何をしてはいけないのか」宗教の教え
世界の4大宗教と言えば、キリスト教(約20億人、33.0%)、回教(約11.9億人、19.6%)、ヒンドゥー教(約8.1億人、13.4%)仏教(3.6億人、5.9%)になるが、日本では国民的な宗教と言うものが無い。キリスト教を中心とする欧米や、回教を中心とする中東諸国はそれぞれの宗教の基本的考え方を分かり易く書いた聖書やコーランがあり、これを日々読むことが習慣になって、国民の間で「何をするべきか」「何をしてはいけないのか」の共通の認識がある。
宗教の基本的な考えはそれぞれの国の気候や風土を考慮して、人々がお互いに健康的で平和な暮らしする為のノウハウが書かれてあり、その内容が正しいことで多くの人々によって認められて、受け入れられている。
徳川時代には幕府が孔子を始祖とする儒教を奨励し、これに基づいて政治を行った。この為に日本には永く儒教により生活のルールが決められて国民の間には「何をするべきか」「何をしてはいけないのか」に関する共通の認識があった。
儒教の基本は「仁:人を愛すること、他者への思いやり」で日本人が礼儀正しく親切であることの基本になっていた。
キリスト教の教えには「隣人愛:隣人への愛こそ最も大切な戒め」がある。
回教には、「ザカート:貧しい人々に対する慈善活動」がコーランに定められている。
仏教には、「布施:ほどこし、」お布施とはお金、労力以外に暖かいまなざしや笑顔を含む一言でいえば親切のこと。
儒教、キリスト教、回教、仏教に共通していることは「他人に迷惑をかけてはいけない」「困っている人を助けなければいけない」という基本的な考え方がある。
しかしながら、現代の日本に於いてはあまりにも利己的な動きをすることが多い。政治家、官僚、大手企業、大手メディアが自己保身に走り、自分の考えに反するものは排除しようとし、他人に対する思いやりの精神が薄れている。すべての人々が一旦立ち止って自分が他人の為に何をしているか反省することが望まれる。
「他人への思いやり」があれば戦争を起こそうと言う考えは出てこない。まして、儒教と言う共通の考え方を永く持っている日本、中国、韓国の間には話し合いで解決できないものは無い。解決できなかったとしたら、それは交渉に当たった人間の狭量さ、かつ人命の貴さを知らない事によるものである。
参考:日本への観光客数は、中国約838万人、韓国約754万人、台湾約476万人、香港約221万人、米国153万人(2018年推計)日本政府観光局
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