カタリン・カリコ氏と山中教授の対話
昨年のことなのでカタリン・カリコ氏はノーベル賞候補者となり、候補者と受賞者との対話になるが、この両者の対話がNHKにより最近再放送された。
山中教授「実は私が講演した後に植物の専門家が話に来て、その話は植物の世界では当たり前の話ですよ、と言われたので、ひょっとして自分のやっていることは本当に出来るかも知れないと思いました。」
カリコ氏「その話は若い人々にお話してあげて下さい」
何気ない話に聞こえるが、山中教授がカリコ氏との対話でこの話に相手がどう反応するか見たいと思って切り出した重要な話で、これに対してカリコ氏は、この話のポイントをつかんで、これからの将来を担う若い人々が研究に悩んだ時に重要なヒントを与えてくれる話と理解して、「若い人々に」と答えている。
重要な発明、発見には細かい作業の繰り返しが重要だが、他の部門における常識を知ることにより道が開けることがあるので、学問分野を跨いだ或いは国を越えた自由討論が如何に重要かを教えてくれる対話になる。
植物の生命は種類によるが、永いものは人間より遥かに永く、雑司ヶ谷鬼子母神のイチョウは樹齢600年を超し、鎌倉鶴岡八幡宮の大イチョウは千年を超したと言われている。最近のゲノム分析による種の改善研究は大きく進んでおり、このイチョウの特性を生かした人間への応用が出来るかも知れない。
現在では人間の問題を解決するために、動物を使うことが一般的に行われているが、植物へも動物に対すると同じ発想で取り組むことが重要と思われる。
本記事により、山中教授のヒントに対するカリコ氏のアドバイスに従って、より多くの若い人々がこういう対話があった事を思い出して欲しいと思っている。
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