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認知症の予防

1.認知症の早期診断

アルツハイマーになる人々の数は1992年と2012年で比較して6倍以上になっている。認知症の原因となるアミロイドβの蓄積は25年前より始まっていることは知られているが、その結果として脳の形状の変化が発見されるのは発症が始まる前後で相当のタイムラグがあり、手遅れになることが多い。仮に70歳で認知症を発症する患者は25年前の45歳にはアミロイドβの蓄積が始まっていることになるが、これがその時点で分かれば、生活を変えることによりアミロイドβの蓄積を避けて認知症の発症を予防することが出来る。最近の研究では脳内各分野におけるネットワークの動きの変化(デフォルトモードネットワーク)を調べることにより認知症の始まりを早期に発見することが出来るのではないかとのこともあり、40歳代、50歳代から認知症の予防対策を取ることも可能になる。

2.認知症の予兆

認知症が始まったかどうかは記憶の喪失が頻繁に起きることなどにより患者本人が自覚出来る。具体的には、釣り銭の計算が出来なくなる、道に迷う、同じ話を繰り返す、時間を間違える、自分の趣味に無関心になる、アルツハイマー病ではストレスホルモンが多くなり怒り易くなるなど。

3.認知症の予防

最近の研究では認知症は生活習慣病の一つであることが明らかになっている。糖尿病患者のアルツハイマーの発症率は健康な人の2.1倍、喫煙者は2.7倍、運動習慣なしで1.7倍になる。脳卒中や心臓病の予防対策は認知症も減少させる。認知症は脳内血流の悪化が大きな原因であることから、血流の改善対策が効果的になる。青魚のEPA/DHAの摂取、植物の色素や苦み成分に含まれるポリフェノールの摂取、特にタマネギなどに含まれるケルセチンや、緑茶に含まれるカテキン(茶葉も食べる)などに効果があると言われている。また、脳内血流を増やす方法としては頭皮のマッサージや、食事の際に咀嚼回数を一口で30回以上に増やすと海馬が活性化する、ガムを長時間噛んでいることなども有効になる。                      

運動と計算を同時に行う、自分で献立を考え料理をするなど脳内の複数分野(デュアルタスク)を同時に動かしてネットワークを強化する行為や、散歩・ジョギングなどの有酸素運動により血管を若返らせ、脳内に酸素を多くを取り込むことが有効とされている。アミロイドβの蓄積は健康な人々でも日常的にあり、これを睡眠中に血流に取り込んで流している為に良い睡眠も重要なポイントになる。海馬に近い嗅神経をローズマリーにレモンやラベンダーにオレンジなどのアロマで刺激する、大豆製品(納豆、豆腐、豆乳)に含まれるレシチンの摂取、糖質の制限、ココナッツオイルなどのオメガ3脂肪酸の摂取により糖質の摂取が減少してもブドウ糖に代わりケトン体がより良い脳の栄養になるとされている。

4.認知症の治療

今後のアルツハイマー治療には、@脳梗塞の薬、シロスタゾールにより脳内に蓄積されたアミロイドβが血液に流されて減少する。Aインスリンを鼻から吸入することにより認知機能の低下が抑えられるなどがあり、また、B脂肪由来間葉系幹細胞より出されるエクソソームにより分解されるので、今後はこの脂肪由来間葉系幹細胞によるアルツハイマー治療が注目される。@Aは使用中の薬の転用であるので比較的早期に認可されると言われている。

また、@(脳梗塞治療)骨髄より分離した幹細胞を脳梗塞などにより壊死した患部に注射することにより、側副血行路により運ばれた酸素、栄養などで新しい神経を伸ばす。A(パーキンソン病治療)ヒトのiPS細胞からドーパミンを分泌する神経細胞をつくり、パーキンソン病のサルに移植することで、サルの治療に成功している。B(アルツハイマー、パーキンソン)成体神経幹細胞の増殖を刺激して脳内ニューロン数を増加させる働きのある経口可能な合成化合物を開発されている。これらは脳梗塞やパーキンソン以外に認知症にも有効になることが期待される。

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